感想「さよなら、愛しい人」レイモンド・チャンドラー(訳:村上春樹)

本の概要

この本は1940年にアメリカで刊行されました。マーロウものの2作目です。

旧訳は清水俊二さんで、当時のタイトルは「さらば愛しき女よ」です。現在は村上春樹さんの訳で、現在のタイトルに変更され、2009年に刊行、2011年に文庫化されました。

購入時期・再読回数

購入したのは今年ですね。2016年で5刷のものを所有しています。

再読回数は今回で2回目です。

あらすじ

行方不明になった恋人を探す刑務所帰りのマロイと、偶然居合わせたマーロウでしたが、酒場でマロイは殺人をし、行方をくらまします。

そのあと、よく分からない筋から用心棒を頼まれます。用心棒となり、依頼者と約束の場所へ向かうと、マーロウは気を失わされ、依頼者は殺されてしまいます。

そのこととマロイのことが複雑に絡み合い、最後はマロイはとうとう恋人を見つけますが・・・

感想

「さよなら、愛しい人(旧:さらば愛しき女よ)(英:Farewell,My Lovely)」というタイトルですが、切ない恋愛小説では全くありません(笑)。まあ、フィリップ・マーロウものの探偵小説ですからね・・・

例によってマーロウは危ない橋を渡って、危険な目に遭います。これはもうマーロウの性格というか、性分というか・・・損得勘定一切考えずに、自分が動きたいように動くんですよね。

そういう生き方って非常にタフだろうなと思いますけれど、その行動に後悔って一切無いと思うんですよ。

これって、シンプルだけれど、非常に難しいことだと思います。まあ後悔はしているのかもしれないけれど(笑)、多分納得はしていると思うんですよね。読んでいて、それははっきりと伝わってくる。

あとは、あとがきで村上春樹さんも述べられていますが、マーロウがまだ若々しいんですよね。思わずクスリとしてしまうあのマーロウの台詞は健在なのですけれど、「ロング・グッドバイ(旧:長いお別れ)」に比べると少し慣れていないのかな?と思わないでもないですね。

まあそういった細かいことが気にならないくらい面白い小説である事は間違いないのですけれどね。

途中で、マーロウが賭博船に向かうシーンがあるのですが、ここは最高にどきどきします(笑)。残りページは少ないのに、どうなるのか?、と(笑)。

最後に、この話に出てくるマロイという大男は、殺人犯ですが、恋人だったヴェルマを最後まで探し続けます。しかも過去には裏切られているにもかかわらず、です。そこまで一途な愛って、一体どうしたら持てるのでしょうね?

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