感想「大いなる眠り」レイモンド・チャンドラー(訳:村上春樹)

本の概要

この本は1939年にアメリカで刊行された、チャンドラーの長編第1作になります。

旧訳は双葉十三郎さんで、今回私が読んだのは村上春樹さんの新訳で、2012年に刊行され、2014年に文庫化されたものになります。

購入時期・再読回数

2018年の11月に購入し、今回が初読になります。

あらすじ

私立探偵のフィリップ・マーロウは、ある資産家の将軍の家に呼ばれます。そこで将軍の他に、二人の女性と出会います。彼女が強請られていることを解決しようとするマーロウは、ある書店へと向かいます。そこで……

感想

まず、他の作品と比べると、明らかにマーロウが若いです。そして勢いがあるというか、ややぶっきらぼうな印象を受けます。

しかし、それでもマーロウはいつものあのマーロウです。事件に平気で顔を突っ込んで、碌でもない目に遭う、あのマーロウです。そこがマーロウの魅力の一つなのですが……

話は非常に込み入っています。一度読んだだけでは、理解しきれないところがあると思います。理解しきれないところがあるのですが、マーロウの魅力というのは、彼が考え、行動するということを見るところにあると思うので、この作品もそういった意味では魅力に溢れています。

ただ、この物語の事件としては、記憶に残りにくいという印象を持ちました。他の、例えばさよなら、愛しい人に比べると、どんな事件だったか、ということが印象として薄い気がします。この話は、事件はあくまで付随する要素ですので、私はそれでいいと思いますが……。

マーロウというキャラクターの長編第一作目ということもあり、後期の作品に比べると、色々な意味で若さを感じますが、それでも読んでいるときに感じるあのスリルは、他の作品と全く変わりません。

格好良い台詞、素晴らしい比喩など、チャンドラーの作品は見所が沢山あります。私も、そういうところが魅力の一つだと思っています。

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