感想「アフターダーク」村上春樹

本の概要

この本は2004年に刊行、2006年に文庫化されています。エッセイ等で読んだところによると、この本のハードカバーが出た当時評判は良くなかったようですね。私はこの本、最初に読んだときから気に入っている一冊です。

購入時期・再読回数

私が購入したのも2006年くらいだったと記憶しています。

再読回数は4回~5回くらいですね。

あらすじ

話としてはシンプルで、一晩の出来事の話なんですよね。主人公の女子大生が、ある時間にこう行動する。その後の時間に、主人公の姉はこう行動している、そしてその後には、主人公の姉の過去のクラスメイトだった青年は、こう行動している・・・それ以外の登場人物も、この流れに続きます。東京の深夜の話のなので、ちょっと恐ろしい方面の話も出てきます。読んでいてちょっと恐ろしいです。もちろんこの話はフィクションなのでしょうけれど。

感想

それでも最後には主人公と、その姉、姉の過去のクラスメイトの青年の関係は、良い形で終わります。この最後に光が差すかの如く希望を示唆するエンディングは、私は大好きです。

変な例えかもしれないのですが、これを読むといつも卒業式を連想してしまうんですよね。明日から別々の進路へ向かう。昨日よりたぶん一歩先に踏み出している。おそらく昨日と今日では状況が違っている。だから、昨日までとは違うところにいるのだけれど、昨日も今日も明日も今まで生きてきた自分が基本になっている。踏み出しても自分は自分・・・その成長の狭間にいるときの感覚が、すごくこの物語とシンクロするというか・・・その成長の瞬間が、うまく物語のフォーマットに納められていると思います。

主人公の精神的成長が、読んでいて伝わってきます。だから、過去の姉のクラスメイトの青年とのこれからの関係や、姉とのこれからの関係もきっと上手くいくと思うんです。最後まで読んでいて良かったと思える小説です。面白いですよ。確かにちょっと取っ付きにくいかもしれませんが、最後まで読んで頂きたい小説です。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

村上春樹
スポンサーリンク
あとがきは読まない