感想「蛍・納屋を焼く・その他の短編」村上春樹

本の概要

この本は1984年に刊行、1987年に文庫化されました。村上春樹さんの短篇集です。私の所有しているものは2005年の39刷です。

購入時期・再読回数

この本を購入したのは確か2008年だったと思います。

再読は4回~5回くらいだと思いますね。

あらすじ

この短篇で注目すべきは「めくらやなぎと眠る女」ですね。当時、私はこの短篇の主人公と同じように会社を辞めてぶらぶらしていた(実際は求職活動をしていました)ので、読み返すとそのころを思い出します。

二十五歳の主人公は、会社を辞め東京を離れて実家に帰ってきます。そしてすぐ訪れるはずだった東京へ戻る日を先延ばしにして過ごしています。
そんな主人公がいとこを病院に連れて行くところから物語が始まります。
そして病院で十七歳のころのことを思い出します。このシーンこそが、「ノルウェイの森」との関連性に紐づけられる所以ですね。ただし、レキシントンの幽霊の感想で書きましたが、直接の関連性はないとのことです。

感想

この話は、村上春樹氏の小説にしては珍しく(と、私は思うのですが?)季節感を存分に感じさせてくれる物語になっています。他の話を読んでもあんまり感じないのですが、これはちょっと別ですね。

風の匂いがするんですよ、本を読んでいるだけなのに。これってなかなかすごいことだと思いませんか?

他の気に入っている短篇についても紹介します。

「蛍」この短篇は、「ノルウェイの森」の原型です。この短篇は「ノルウェイの森」の一部になっています。細かいところは少し違いますけれどね。

「納屋を焼く」これはちょっと説明しにくい話です。しかしこの不明さが魅力であるんですよ。

納屋を焼く、と知人に告白され、驚いて受け入れた主人公が、次に焼かれるであろう納屋を探し出すという話なのですが、謎がかなり残るんですね。

納屋は本当に焼かれたのか?納屋を焼く男の彼女はどこへ行ったのか?等々・・

不思議な話ですが、なにかが自分の中に残る、そんな話です。

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