感想「風の歌を聴け」村上春樹

本の概要

この本は1979年に刊行された、村上春樹さんのデビュー作です。

ノルウェイの森と同じく、2004年に新装版の文庫が刊行されました。村上春樹さんの作家デビュー25周年記念とのことです。

この新装版のデザインはハードカバーと同じデザインになっており、佐々木マキさんの印象的なイラストが描かれています。

購入時期・再読回数

購入したのは2005年ですね。

この年に、私の友人から、私の人生が、村上春樹さんの小説の登場人物っぽいといわれ、興味を持ち、初めて村上春樹さんの翻訳ではない小説を買いました。

再読回数は10回くらいですね。多分それ以上読んでいると思いますが、正確な数は分かりません。

あらすじ

「僕と鼠」シリーズの第一弾です。

大学生の「僕」と、大学生の「鼠」。そして「僕」と行きつけのバーで知り合った「彼女」。

彼らの、1970年8月8日から8月26日までの18日間。

ビールを飲んで、煙草を吸って……。そんな物語です。

本当に、それだけの話です。それだけの話なのですが、読み終わった後に非常に心に残る作品です。

後は、文章を学んだ作家、デレク・ハートフィールドのことも書かれています。

感想

本の概要にも書きましたが、私は村上春樹さんの本って、当時は翻訳本であるJ.D.サリンジャー氏の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」しか読んだことがありませんでした。

そして当時(2005年。20歳~21歳くらいの時期でした)私は大学を辞める/辞めないといった非常に悩ましい時期で、訳が分からない日々を送っておりました。

混乱のなか、暇を見つけては当時の愛車、中古のトヨタ・スプリンタートレノでよく海を見に行ったのを覚えています。

そんな時に友人から進められ、初めてこの本を手に取りました。

正直な話、最初はピンと来なかったんです。が、自分の中に何かは残りました。

それは、「何」とはっきり言うことは出来ないのですが、非常に、強い印象でしたね。

その感覚は間違いなく今でも持っています。だからこそ、この次の物語である「1973年のピンボール」も手に取ったのだと思います。

この作品から受ける印象が顕著なのですが、非常にアメリカ文学の影響を受けていると思います。

だから、所謂日本の小説(文学)とは少し趣が違います。

このテイストは、現在の村上春樹さんの作品からも感じることが出来ます。

アメリカ文学に触れたことが無いと、村上春樹さんの作品の印象って、全然違うものになると私は思っています。

もっとも、アメリカ文学に馴染みが無くても、気に入るということもあると思うので、興味があれば是非読んでみてください。

現在のテイストとは違う、シンプルだけど奥行きがある物語が味わえます。

この物語って、「僕」と「鼠」を中心に話が進んでいくのですが、その間々に挟まれるラジオのDJのエピソードだったり、「僕」の高校時代のガールフレンドの話だったり、街についての話だったりがとても印象に残るんです。

それはきっと、もう失われてしまった青春の憧憬が、読んでいる最中に蘇ってくるからだと思うんですね。

この本を初めて読んだのは、さっきも言ったように、20歳だか21歳の時ですが、そのくらいの時に読めて非常に良かったと思っています。

きっと高校生の頃だったら理解できなかったでしょうね。

本を読むことタイミングというのも、偶然が作用すると思うのですが、この本を読めたタイミングは絶妙で、すごく幸運だったと思います。

この本を読むことによって、私が絶大なる影響を受け続けている村上春樹さんの作品との時間が始まりました。

そういった意味でも、もちろんこの本の内容でも、非常に印象深い作品です。

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