感想「騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編 第2部 遷ろうメタファー編」村上春樹

本の概要

この本は予約して発売日に買いました。本を予約して買うなんて初めてでしたね。お気に入りの一冊です。とは言っても気に入っていない作品はないんですけれどね。

購入時期・再読回数

購入時期は2017年、再読回数は3回です。

あらすじ

(第1部)

妻と別れを切り出された画家の主人公が、家を出て、一人旅をし、その後山奥の家で暮らすようになる物語です。その家の近くにはある男が住んでいて、主人公はある縁でその男と知り合いになります。そして、主人公は現在暮らしている奥の家で騎士団長と出会います。

(第2部)

第1部の終盤で、近くに住む謎の男から、山の向こうに住む娘の絵を描いて欲しいと頼まれる画家の主人公が、頼まれたとおりに絵を描き始めます。絵が完成したあと、その娘が行方不明になります。主人公は娘を助けるためにある事をします。

感想

この第1部は、読んでいていて、「グレート・ギャッツビー」を読んでいるかのような印象を受けます。登場人物の一人が謎めいているところがそう感じさせるのかな?と私は考えています。最初に読んだ時からその印象はありましたし、今回3回目の読み返しでもそれは強く残っていましたね。あくまで、ほんの一部分なんですけれどね。

それだけというわけではもちろんなくて、村上春樹さん特有のあのよくわからない感覚、説明しにくい部分が多分にあります。まさしく騎士団長の存在とかですね。

ただ、よくわからないといっても、理解できないわけではないんですよ。物語の流れとしては、ごく自然だと思うんですよね。水が高いところから低いところに流れるように、物語もそれと同じように流れるんですよ。そこに淀みはないんですね。じゃあそのよくわからない感覚って何かというと、水の透明度なのかな、と思います。外から見るだけでは、どのくらい深いのかはよく分からない。

第1部は、村上春樹さんの小説を初めて読むという方にもまあ馴染みやすいかな、と私は思うのですが(騎士団長のあたりは?かもしれませんが)、第2部はどう思うのでしょうか?そんなことは気にならずに夢中で読んだ、という方は、きっと他の村上春樹氏の作品を読んでも面白さを感じると思います。

基本的に、村上春樹さんの作品は、説明の付かないことがたくさん起こるんですよ。長編でそれが無いと感じるのは「風の歌を聴け」と「ノルウェイの森」くらいじゃないかなあ?説明が付かないこと、それが意味が分からないという方ももちろんいらっしゃると思うんですよね。私も、村上春樹さんの作品は好きですが、意味は分かっていないと思いますから。

意味の分かる、分からない、は、物語の面白さとはあまり関係が無いのではないか?というのが私の結論です。それをそのまま受け止めてはいけない理由は無いと思います。流れに身を任せる、ですね。

本を読んだ感想が、面白かった、だけでも良いと思うんです。次の段階で、じゃあどこがどう面白かった、とか、なぜそこが面白かったのだろう?という風に、考えることが転がっていけば、きっと読書することの意味ももう少し誰かに伝えやすくなるのではないのかなぁと思います。説明しにくいんですよね。物語を読むことっていうのは。

第2部で、物語は終わりを迎えますが、まだ本当の結末じゃあ無いんですよね。続き、というか後日譚が第1部のプロローグです。いつの日のことかはこのプロローグで明記されていないので分かりませんが、この第2部の終わりの後のことが、第1部のプロローグで語られているので、主人公はこの環から本当に抜け出すには、まだしばらく時間が掛かりそうです。

それでも、この物語を抜けてきた主人公なら、きっと大丈夫だと私は信じています。

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村上春樹
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