感想「パン屋再襲撃」村上春樹

本の概要

表題作を含む六つの短編が入った本です。1986年に刊行され、1989年に文庫化されました。私の所有しているものは、2005年の27刷です。

「パン屋再襲撃」・「象の消滅」・「ファミリー・アフェア」・「双子と沈んだ大陸」・「ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」・「ねじまき鳥と火曜日の女たち」・・・の六つです。

購入時期・再読回数

私が購入したのは2008年3月くらいだったと記憶しています。

再読回数は4回〜5回くらいだと思いますね。

あらすじ

主人公は過去に当時の相棒とパン屋を襲撃します。その時の呪いを解くために今度は妻と再度パン屋を襲撃します。

これの前日譚は、村上春樹 糸井重里「夢で会いましょう」に収録されています。そちらも非常にインパクトがあり、興味深い話です。こちらも再襲撃に負けず劣らず襲撃だけでは終わりません。セットでお読みになることをお勧めします。

感想

他の短編では、「ファミリー・アフェア」が印象に残ります。村上春樹さんの話では珍しく、兄妹の話で、主人公は兄、その妹、妹の婚約者が登場します。兄が妹の婚約者に言う台詞、そのあと妹にも同じ台詞を言うのですが、その台詞が素晴らしく心に響きます。それは是非物語の中で読んで欲しいです。私のブログからそれを読むのはもったいないと思います(笑)。

先の見えない時代ですが、出来るだけシンプルな希望を持ち続けることが一番大切なことなのかもしれません。

この本に収録されている短編は、1985年から1986年に発表されています。長編では、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と「ノルウェイの森」の間くらいになりますね。短編集全体の流れとしては、どちらかと言うと暗めの空気が漂っていますが、上記の「ファミリー・アフェア」が非常にポジティブなため、そこまで暗さが残らず、読み終わった後はスッキリした感じが残るかなあと。

ちなみに後の長編小説「ねじまき鳥クロニクル」になる短編も収録されています。「ねじまき鳥と火曜日の女たち」がそれにあたります。

「ねじまき鳥クロニクル」は長編ですが、この短編で読んでも、物語がここで終わらない予感を感じ取れると思います。村上春樹氏の短編小説を読むと、これは長編になってもおかしくないなと思うものはいくつかあるんですが、長編になる/ならないという見極めはどうやっているのだろうと疑問に思いますね。過去に「村上さんのところ」に質問を送ったのですが、今考えれば、そのときそう質問するべきでしたね(笑)。

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