感想「1973年のピンボール」村上春樹

本の概要

この本は1980年の「群像」誌に掲載され、同年に刊行、1983年に文庫化されました。

村上春樹さんの2作品目にあたり、1980年の芥川賞候補にも選ばれた作品です。

村上春樹さんのデビュー作となった「風の歌を聴け」の続編になります。

私の所有している本は2004年に刊行された新デザイン(ハードカバーと同じ)になった初版のものを所有しております。

購入時期・再読回数

購入したのは2005年、再読回数は10回くらいだと思います。

あらすじ

双子と生活する「僕」が、ピンボール・マシーン「スペース・シップ」を再度プレイするために、探し当てる物語です。

それと同時進行して、「僕」の地元では、「鼠」が街を出る準備をしています。そしてある日、行きつけのバーの店主に「さよなら」を言うという話が同時進行します。

感想

この物語は、私にとってとても大切な物語です。それには理由があって、前巻にあたる「風の歌を聴け」を読んだときは正直ピンとこなかったんですよ。しかし、それでも続編にあたるこの作品を読みました。理由はわかりませんが、「風の歌を聴け」になにか感じるところがあったのだと思います。

そしてここから私は村上春樹主義者へとなっていったのです(笑)。

もし村上春樹さんの作品で、一番好きな作品は何か?と問われれば私はこの作品の次巻にあたる「羊をめぐる冒険」と答えますが、この作品もかなり好きです。

正直、かなり不思議な物語なのですが、それでもまだこの物語は現実と結びついている感覚がすごくある気がします。

とは言っても、この物語が現実的と言っているわけではありません(笑)。かなり非現実な物語なのですが、まだこのときの「僕」は地に足が着いていると言うか、自分の力で進んでいくという意志のほうが強いのかな、というような感覚ですね。

ただ、それはあくまで「僕」の物語の方で、それとは対象的に「鼠」の物語は、あんまり明るいとは言い難いですね。ここのあたりのことは、次巻の「羊をめぐる冒険」ですべてが明らかになるので、この段階ではまだ微かな予感といったところですね。

読み終わったあとの感覚は、かなり不思議でした。全てが終わったのに、まだ何も始まっていないという予感ですね。

「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」そして「ダンス・ダンス・ダンス」といった「僕と鼠」シリーズですが、この本からあとが、このシリーズの本番だと思っています。

そういった意味でも、内容も含めて是非読んでいただきたい作品です。

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