感想「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下巻)」村上春樹

本の概要

この本は1985年に刊行され、1988年に文庫版が刊行されました。村上春樹さんの4作目の長編小説になります。上巻の感想はこちらです。

購入時期・再読回数

上巻と同時に購入しましたので、2006年くらいですね。49刷のものを所有しています。

再読回数は7回~8回くらいです。

あらすじ

「ハードボイルド・ワンダーランド」の章では、謎の老人を助けるために地下道を進んでいた主人公でしたが、老人と再会したあと、衝撃の事実を告げられます。老人は主人公の体で壮大な実験を行っていました。

「世界の終り」の章では、自身の記憶だけでは無く、知り合った「彼女」の記憶も取り戻そうとしますが・・・

感想

最初にこの物語に触れたのはもう10年以上前です。そのときの感想は、ちょっと救いがないのではないかな、というものでした。

しかし、何度も読んでいるうちにそうでもないのかな、と思うようになりました。

まず、「ハードボイルド・ワンダーランド」の章ですが、この主人公には一つの夢・・・というか、人生の目標がありました。そのために計算士になったのだと思います。

しかし、この一連のゴタゴタに巻き込まれたしまったため、その目標は消えてしまいました。目標だけではありませんね。消えてしまったのは。

そういう面もあり、救いがないと思っていたのですが、今は少し違います。

この結末は、きっと、この物語として間違ってはいないと思っています。無くしたものを再び見つけることが出来たと言う意味では、実はハッピーエンドなのでは無いか、とすら思いますね。

「世界の終り」の章でも、同じような感想です。離れてしまったものと、本当に別れ、そして、自分が作り出したところで暮らすというこのエンディングが、きっと正しいのだと思います。

たとえそれが一見間違いに見えたとしても。

非常に、読み応えがあり、考えることが沢山ある物語です。

素晴らしい物語だと思います。

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村上春樹
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あとがきは読まない