感想「スプートニクの恋人」村上春樹

本の概要

この本は1999年に刊行され、2001年に文庫化されました。私の所有している本は2004年の13刷となっています。

購入時期・再読回数

多分2006年くらいに購入したのだと思います。

再読回数は4回~5回くらいですね。

あらすじ

小学校の先生をしている「ぼく」は「すみれ」という女性に恋をしています。彼女とは友人ですが、「ぼく」は「すみれ」が好き。ところが「すみれ」が好きになってしまったのは「ミュウ」という女性です。

「ミュウ」と「すみれ」はギリシャの島へ行きます。そこで「すみれ」は行方が分からなくなってしまいます。

感想

この本は、過去に感想を書いた「国境の南、太陽の西」という小説と同じテイストを感じる小説です。ただ、あちらは自分の好きだった女性と、結婚した妻とのあいだで揺れ動く主人公の話ですが、こちらは、好きな女性が他の女性に恋する話なので、内容としては全然違うんですね。

ではなぜ同じようなテイストになっているのか?と思うわけですが、それはおそらく読んでいて、なぜかこちらが少し不安になる感じがするからではないでしょうか。

不安と言っても、なにか恐ろしいことが起こるとかそういったことでは無いんですね。話はスムーズに進みます。

ところが終盤に大きな時間が起きます。当然主人公である「ぼく」は混乱し、一体何がどうなったのかを調べます。

ここで、「ぼく」は「ぼく」で別の問題を抱えているんですね。もっと現実的な問題というか・・・実際に大きな問題というか。

そういった一つ一つの今までを精算する課程というのは今までの村上春樹さんの小説ではあまりなかったのではないか、と思います。だから印象としてはちょっと長い「短篇小説」なんですよね。実験的な要素が、物語を読んでいる読者に奇妙な不安感を与えている気がします。

この共通項って、これと「国境の南、太陽の西」だけじゃなく、「アフターダーク」や、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」にも同様の感触があると思いますね。

でもその不安感って、読んでいけば最終的には薄くなっていくんですよ。ゼロにはならないけれど、それが最後まで物語の印象を強めていると思います。だからこれらの小説にも思い入れの強いファンがいるのだと思います。

個人的には、私は村上春樹さんの小説はもう少し長めの物語の方が好きですので、「大好き」には入れられませんが、時々読み返したくなるような、そんな物語です。

この物語は、最後はきっとハッピーエンドなのだろうな・・・というところで終わってしまいます。でも、間違いなくそうだと思いますよ。

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村上春樹
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