感想「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」七月隆文

本の概要

この本は2014年に書き下ろしで刊行された、七月隆文さんの作品です。

購入時期・再読回数

2018年の12月に購入し、今回が初読になります。

あらすじ

京都の美大に通う主人公は、電車の中で出会った女性に一目惚れします。そして、本人の勇気と、友人の協力もあり付き合うことになったのですが、彼女は大きな秘密を持っていました。

感想

この本を読んだ切っ掛けは、ツイッターでお知り合いになった方の紹介です。読んで良かったと思いました。

まず最初の主人公の行動が理解出来すぎて、まるでティーンエイジャーに戻ったかのようでした(笑)。

電車を降りてから声を掛けるって、本当に、今まで生きてきて使った勇気の100倍くらいの勇気が必要なんですよ(笑)。よく頑張った!

基本的に、つきあい始めた男女の機微で、物語が進みます。ここのあたりの描写も見事だと思いましたね。つきあい始めたときの、あの緊張感と言うか、嬉しさ言うか・・・とにかく良い方向に感情が動くあの感じが、文章に落とし込まれていて、読んでいて思わず頷いてしまいます。見事ですね。

もちろん良いテンションだけでは無くて、彼女の抱えている大きい秘密が、霞みたいにずっと物語を覆っているんですね。最初に読むときはそれは分かりません。主人公と同じ状況ですね。

読んでいて、なにか変だな、と読者は思うわけです。主人公も、浮かれていながらもそう感じます。このあたりの読者と主人公のリンクする感覚、これは凄く新鮮でした。

終盤はかなりキツいですね。辛い。私は基本的にハッピーエンドの物語が好きです。しかし、このタイトルから想像出来る通り、ハッピーエンドでは無いんですね。少なくとも私は、ハッピーエンドだとは思いません。

このあたりは意見が分かれるところだと思いますが、私は単純に女々しいので(笑)、そう思うのかもしれませんね。

ただ、全く救いが無いわけでは無いと思うんですよね。お互いがしっかり相手を認めているので、そういった面では、お互いの感情を凄くリアルに感じれるのでは無いのかな、と。だから、決して納得できないラストでは無いです。

とにかく、読んでいて面白かったですね。色々と新鮮だったし、ティーンエイジャーにも戻れました(笑)。読んで良かったです。今ある一瞬を、大切にしたくなりました。

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