感想「坑夫」夏目漱石

本の概要

この本の存在を知ったのは、もちろん村上春樹氏の「海辺のカフカ」です。「海辺のカフカ」を読まれた方はご存じだと思いますが、主人公の田村カフカ君が、物語の途中でこの「坑夫」について語るシーンがあるんですね。それが印象に残っていたので、いつか読みたいと思っていた作品です。

1908年に新聞で連載された作品です。私個人的には、夏目漱石氏の作品では、「虞美人草」が好きですね。

購入時期・再読回数

この本はkindleの青空文庫版で読みました。ダウンロードしたのは今年の初めですね。

今回が初読になります。

あらすじ

東京を立った、今まで働いたことのない主人公が、怪しげな男に誘われて炭坑で働くようになるという話です。

感想

この話って、最初から最後まで描写がものすごくリアルなんですよね。他の夏目漱石さんの小説とは比べものにならないくらいに。描写が細かく、まるで映画でも見ているかのように目の前に情景が浮かぶんです。なんでか少し調べてみると、この話はルポタージュとして書かれているみたいですね。どこまでモデルとなったその個人の体験なのかは分かりませんが、人相の悪い男と食べる饅頭、飯場頭と主人公の会話、南京米を食べる描写といったところが、非常にリアルなんですよ。

なんだか食べているシーンばかりが印象に残っているみたいですが(笑)。とにかく目に浮かぶんですよ。こうだろうなっていう具合に。炭坑内の状況もですね。このあたりはやっぱりモデルになった個人からのインプットが大きいのかな、と思います。

結局主人公は炭坑内では働けず、帳場で働くことになります。そして5か月後東京に戻ります。そこで物語は終わります。

ルポタージュ的小説だけあって、ものすごくリアルです。つまり他の夏目漱石さんの作品とは趣が違うんですね。だからこの作品はあまり日の目を見ないのかな、と思いますが、夏目漱石さんの作品が好きならばこれは読んでみて損はないと思います。少なくとも私は気に入っていますね。

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夏目漱石
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