感想「あの日にドライブ」荻原浩

本の概要

この本の存在を知ったのは例によって新聞広告です。2009年か2010年くらいですね。確かざっと紹介文も載っていて、こりゃ面白そうだと思い買って読みました。予想通り、非常に面白かったです。現在でもお気に入りの一冊ですね。

2005年に刊行され、2009年に文庫化されています。

最近、といっても2~3年前ですが、同じように新聞広告に載っているのを見ました。ハードカバーが2005年、文庫が2009年の本を再度広告するって珍しいなと思ったので覚えていました。

購入時期・再読回数

2009年か2010年くらいに購入し、7回~8回くらい読んでいると思います。

あらすじ

この話は、部下を庇い、上司に不必要な一言を言ってしまい、メガバンクを退職した中年の主人公が、タクシードライバーになり「あの日」に戻りたいと懇願する小説です。このさわりだけでも、十分読んでみたくなるとは思いませんか?私だけか(笑)。

感想

人生をやり直せたら、と主人公はよく思います。気持ちはわかります。銀行に就職し、20年間働いてきた自分。そして銀行で、あったであろう未来と、現在のタクシードライバーである現実との間での感情の揺れ動き。その後にタクシーの仕事がうまく回りだすと同時に、グレードアップする主人公の妄想劇。いやあ見事な人物描写です。

誰だって、あの時こうすれば・・・というのはあると思うんです。そりゃあそうですよね。私だってかなりあります。しかし、現実というのは今目の前にあることしかないわけです。そこときちんと向き合うことをしないと、今持っているものさえなくしてしまうのでしょう。

この本の主人公も、結構危ないところにきていました。目の前を見ずに、過去をなぞろうとします。しかし、すんでのところで思い直し、きちんと現実と向き合うようになります。そして何が一番大事かを知るわけです。知るというより、分かるというか・・・受け止めるんですね、今度はきちんと。

ラストシーンは、ある意味今までの鬱憤を晴らすことができます。しかし、少し(本当に少しです)過激なことをするので、そこがちょっと・・・という感想を時々目にしますね。私はありだと思っています。ありだと思わなければ、この本を気に入ることは難しいのかな、と思います。

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