感想「明日の記憶」荻原浩

本の概要

この本は2004年に刊行され、2007年に文庫化されました。

この話は2006年に渡辺謙さん主演で映画化されており、当時私も劇場で見ました。当時はまだ荻原浩さんのことは存じてなかったのではないかなぁ?

一番最初に荻原浩さんの作品、何を読んだか思い出せないんですよ。おそらく「オロロ畑でつかまえて」か「あの日にドライブ」だと思うんですよね。

購入時期・再読回数

私の所有している文庫は、2007年の初版ですが、買ったのは2012年くらいだと思います。今回含め3~4回は読んでると思います。

あらすじ

五十歳になったばかりの主人公は、広告代理店の営業部長をしています。最近、物忘れが酷くなったと感じた主人公は、医者に行き検査を受けます。

その結果、若年性アルツハイマーと診断されます。

感想

その後は、本当読んでいて辛くなるくらい自分との葛藤なんですよ。自分が自分じゃなくなるという感覚が、常に主人公から伝わってくるんですね。

自分じゃなくなるといっても、別の人格になという訳ではなくて、自分のしたことを覚えていられなくなるということなんです。そこをこう表現しているんですね。

いろいろと問題は起きますが、主人公は夫婦でそれを上手く乗り越えていきます。それでも病気の進行は止まることはありません。そして物語はラストシーンに向かいます。

こういう内容の物語ですが、絶望感に溢れているとかそういう感じの小説では無いんですよ。むしろ荻原浩氏特有のあの希望がある感じで物語は進むんです。
そういう感じなので、読み続けられないといった感情は起きずに、最後まで読めます。

私がこの物語を読んでいて一番恐ろしいのは、もし自分がこうなったらどうしようか?と思うことです。

こういう状況になったら、きちんと前を向けるのか?現実を認められるのか?

そういうことを考える切っ掛けを作ってくれたこの作品に、とても感謝しています。この作品は面白いです。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ