感想「ハードボイルド・エッグ」荻原浩

本の概要

この本は1999年に刊行後、2002年に文庫化され、2015年に文庫の新装版が発売されました。

購入時期・再読回数

新装版の発売後にすぐに購入し、5~6回くらい読んでいます。

新装版の表紙は「村上さんのところ」のイラストを担当されていた、フジモトマサルさんが書いています。渋い(?)探偵が窓の外を眺めるとっても素敵なイラストです。

カーテンの柄がこのイラストのポイントですが、なぜこの柄なのかは話を読めば理解できると思います。

ちなみに、この本には続編があります。タイトルは「サニーサイド・エッグ」。こちらもいずれ感想を書きますね。

あらすじ

この話は、地方出身の若者が、フィリップ・マーロウに憧れ、脱サラして探偵になって三年たったところから話が始まります。

探偵になったはいいが、来る依頼はペット探しだけ・・・主人公はもっと大きな事件を求めています。変化を求める主人公は探偵事務所に秘書を雇います。そこから話が大きく動きはじめ、本当に殺人事件に遭遇してしまうのです。

最初の三ページ目までの描写がとてもワイルドで、ハードボイルドです。日本にいるとは思えないような印象を受けます。ところが四ページ目で早くもコミカルになってしまします。そういった落差がこの小説の面白さ、奥深さを引き出しているのでしょう。

主人公は探偵ですが、フィリップ・マーロウとは全く違い、ヘマばかりやっています。憧れと、現実はこうも違うのかと読んでいるこちらは気を落としそうになります。

しかしそれは荻原浩さんの小説です。きちんと現実を描きながらも、主人公が最後まで事件あきらめず解決する格好良い見せ場をきちんと作り出すのです。

とくに最終ページの主人公は、とても格好良いです。格好良いだけでは無く、物語を追ってきた読者に爽やかな感動を与えます。タイトルの「ハードボイルド・エッグ」の意味も理解できると思います。

大人が、きちんと現実を見つつ、夢を自分のものにしていく。それは思い描いていたものとは少し違うかもしれません。かなり、いや全然違う可能性だってあります。この物語はまさしくそれです。

しかし主人公と同じように、しっかり前を見ていけば、その理想に少しでも近づけるのかもしれません。

なんでもないことを習慣にして生きていたいと思います。とりあえずは毎日本を読むことですね(笑)。

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