感想「金魚姫」荻原浩

本の概要

この本は2015年に刊行されました。

私は基本的にハードカバーって買わないんです。文庫のほうが持ち運びに便利ですからね。それでもこれを買ったのは、単純に荻原浩さんの新刊を読みたかったからです。

あと表紙が良いです。見ていただければわかると思いますが、読んでみたくなるような表紙だと思いませんか?私だけですかね。

当時働いていた会社での社員旅行に持っていき、行き帰りの電車で読みました。いやあ文庫の偉大さを知りましたね。ハードカバーで旅行って本当手間でした。でも本は面白かったですよ。荻原浩さんの長編は基本的にはずれはないと思っています。

購入時期・再読回数

2015年の9月くらいにハードカバーで購入しました。当時はインターネット通販ではどこも在庫切れでしたので、店舗で探して買いました。

再読回数は今回で2回ですね。

今回久しぶりに読み返しましたが、物語の情景と社員旅行で行った金沢の光景が浮かびました。本もまた旅の記憶とつながるんですね。面白いです。

あらすじ

ブラック企業で働く主人公は、夏祭りで金魚すくいをします。するとその金魚が・・・といった話で、これ以上書くとネタバレになってしまうので、気になる方は是非読んでみてください。

感想

何度も言いますが、これは面白いです。物語の作りが上手で、この世界に自分もいるかのような気がしてきます。

内容は、過去から現在まで続く、因縁の物語です。因縁の物語と書きましたが、話はそんなに暗い話ではないです。少なくとも私はそう思います。どちらかというと希望があるというか。

その一方、この話は主人公の成長物語なんですね。主人公はいい年をした大人ですが、きちんと現実と向き合うことができないという気がしますね。

しかし話の中でいろいろな経験が、主人公をきちんと成長させます。そこには他の登場人物・・・というより、主人公を取り巻く女性達が絡んでくるわけですが、これがまた一癖も二癖もあります。それをきちんとした筋で物語にしてしまうところが荻原浩氏の作家としての凄味、読者としてはそこが旨味なんだと思っています。

ラストシーンがまた良いんですよ。ハッピーエンドなのだろうけれど、切なさが凄く残るんですね。涙が出てくるくらいに。

夏の夕暮れを思い起こさせる、ラスト1ページ、最後の行。本当に、最後の最後まで物語が続いています。見事です。

基本的に、男はいつまでたっても別れた女を忘れられない生き物なのかも知れませんね。これを読んでいて、なおかつ途中で自分を振り返ってみて、そう思わずにはいられませんでした。

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荻原浩
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あとがきは読まない