感想「なかよし小鳩組」荻原浩

本の概要

この本は、荻原浩さんのデビュー作となった「オロロ畑でつかまえて」の続編になります。1998年に刊行、2003年に文庫化されました。

購入時期・再読回数

奥付を確認すると2007年の11刷となっているので、2007年か2008年くらいだと思います。

再読回数は4回~5回くらいかな?

あらすじ

倒産寸前の零細広告社のユニバーサル広告社で働く主人公の杉山は、離婚した妻と子供がいます。その妻が再婚することになるのですが、妻がある病気で入院することになり、子供と短期間の同居生活をします。

時を同じくしてユニバーサル広告社が経営難になります。そしてようやく得た仕事は、反社会的勢力だった・・・という話です。

感想

この本は最高に面白さが詰まっています。

まず目次から最高の演出で、この目次の次のページを開くと同じ文章が出てくるのですが、それは主人公の杉山が作っている広告のコピーなのです。

つまり、最初の1ページ目で物語全体の内容が示唆されるというわけです。素晴らしい演出だと思いませんか?

内容も申し分ありません。反社会的勢力に会社を乗っ取られそうになりますが、奇想天外な案でなんとか保留にします。その案というのがまたとんでもない案なのですが、ここでも不自然さを感じさせないように物語が進んでいきます。

それと外せないのが、主人公杉山の家庭環境です。彼は前巻の時点で離婚しており、妻と子供とは別居しています。

その子供が一時的に杉山のもとに来るのですが、このあたりの内容がまたぐっと来るんですよ。

反社会的勢力の若い青年とのエピソードもまた良いですね。彼と杉山は乗っ取られそうになったときに出す案がもとで交流が始まります。青年と仲良くなって、杉山は彼から夢を聞くんですね。

それは現実的な夢とは言えないかもしれないけれど、杉山は彼を応援します。そして物語はラストに向かいます。

ラストのシーンがまた、感動的です。前巻は割とハチャメチャはテイストで終わりましたが、今回はじっくり感動させてくれますよ。

特に最後の杉山の語りが・・・本当、泣けます。この本は面白いですよ。

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