感想「オロロ畑でつかまえて」荻原浩

本の概要

この本1998年に刊行され、2001年に文庫になっています。荻原浩さんはこの作品で「小説すばる新人賞」を受賞し、小説家としてデビューされました。他の年度の受賞作をよく見ると、村山由佳さんや篠田節子さんもこの賞を受賞されています。

余談ですが、私も小説すばる新人賞に応募したことがあります。2007年か2008年くらいだったと思いますね。応募後、確か編集部から「受け付けました」との葉書を貰いましたね。結果はかすりもしませんでしたが・・・(大笑)

タイトルはおそらく「ライ麦畑でつかまえて」のパロディだと思われます。話は逸れますが、私は「ライ麦畑でつかまえて」が大好きなので、いずれ感想を書きますね。

この話は、ユニバーサル広告社シリーズものとして刊行されており、現在、続編の「なかよし小鳩組」と「花のさくら通り」が刊行されています。

「なかよし小鳩組」はスペシャルドラマとして(2016年)、そして「花のさくら通り」は連続ドラマとして2017年にテレビ東京系列で放映されました。私はドラマは基本的に2時間ドラマしか見ないのですが、これだけはちゃんと全部見ました。視聴率があまり良くなかったのですが、見た方の評判は悪くない印象を受けましたね。原作とは、大分テイストが違いましたが、面白く見れました。

私の所有している文庫は2008年の17刷です。古いデザインの表紙になっています。現在の文庫の表紙は、「ユニバーサル広告社シリーズ」で統一感を持ったデザインに変更されています。

購入時期・再読回数

確か2009年くらいに買ったんだと思います。奥付が2008年1月で17刷となっているので多分それくらいでしょう。

再読数は5回~6回くらいだと思います。

あらすじ

この第1巻は、零細のユニバーサル広告社の社員として働く人たちと、その広告社に広告を依頼する、起死回生を狙う地方の人々の物語です。

主人公は過去大手広告代理店で働いていましたが、離婚と同時に退職します。そして流れ着いた先がユニバーサル広告社だったと言う訳です。

感想

地方を再生させるために、広告を出すという発想は悪くありませんが、広告を出した先が「ユニバーサル広告社」というのが、この物語の肝ですね。

このユニバーサル広告社の人達がまた一癖も二癖もあり、この人達だけでも十分物語になると思うのですが、それだけでは飽き足らず、地方の人々もかなり個性的で、物語に絡んできます。最後は今までやってきたことがいろいろと問題になりますが、それさえも忘れてしまうくらい大どんでん返しが待っています。

誰もが望んだ職業に就けるわけでは無いと思いますので、その点、このユニバーサル広告社の社員達は幸せだと思います。それでも、人生は仕事だけでは無いので、幸せもそのことだけではきっと足らないんだと思います。そういったことが細かく描かれていて、破綻が一切ありません。物語の転がし方も上手です。正直、これがデビュー作だとは思えません。上手い人は一作目から上手いんですね・・・

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

荻原浩
スポンサーリンク
あとがきは読まない