感想「コールドゲーム」荻原浩

本の概要

この本は2002年に刊行されており、2005年に文庫化されています。私が所有している文庫は2011年で21刷となっています。

購入時期・再読回数

購入した時は覚えていませんが、奥付を考えると2012年くらいだったと思います。

再読回数は5回~6回くらいだと思います。

あらすじ

この本のメインテーマは高校生の主人公達の、中学時代のイジメの話です。高校3年になった主人公達が、夏休みに、ある事から中学時代にイジメていた少年と向き合わざるを得なくなるところから物語は始まります。

中学時代から数年が経過しており、主人公達も車やバイクに乗れるようになっており、年齢だけじゃなく、少し大人になっています。そしてイジメていた側の例によって、過去のことはそんなに意識していないんですね。少なくとも物語の最初は。

話が進むにつれて、過去にきちんと向き合おうとしていきます。それは否が応でも向き合わざるを得なくなる、といったところですが。

感想

過去のイジメが物語のメインテーマとなっていることもあり、爽やかな青春物語とは一線を画しています。しかし青春時代なんて誰もがそう爽やかなだけじゃないと思うんです。たとえ些細なことだとしても。

大人になって思い返してみると、最初は良い思い出だけがまず浮かびますが、例えば卒業アルバムを覗いて、細かいところまでよく思い出してみれば、ろくでもないこともたくさんあったと、過去のみっともなさを実感します。

過去のイジメがテーマとなっていますので、読んでいて気分が良くなるといったことはありません。それでも結末まで読めたのは、この荻原浩さんという作家の力量だと思うんです。

これからどうなるんだろう、主人公達はきちんと過去の過ちを正せるのか、といったストーリーの運びが見事なんですね。もちろん結末も衝撃的ですね。

この物語は、ある意味復讐の物語です。しかし、いくら復讐と言っても、過去を取り戻すことは出来ないので、イジメられていた側から見れば救いが無いといえば無いかもしれません。それはそうですよね。いくら復讐をしたところで何も帰ってはきません。

その状況でも、主人公達はきちんとケジメを付け、しっかり前を向いて、この町で生きていくことを選びます。これ以上無いくらい真っ直ぐに。

この本の感想をインターネットで読むと、賛否の否の方が強い印象を受けます。それはこの本のテーマからして納得出来なくは無いと私は思います。それでも、この本には希望が入っていると思っています。それは本当にわずかかもしれません。おまけに読み終わっても苦みがずっと残ると思います。それでも、最後に希望があると無いとでは大違いです

荻原浩さんは素晴らしい作家です。もっともっともっと評価されても良いと思っています。私は荻原浩さんの本が大好きなので、今後も読んだ本を紹介していきたいと思います。

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荻原浩
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