感想 「押入れのちよ」荻原浩

本の概要

この本は2006年に刊行され、2009年に文庫化されています。所有しているのは、2012年で8刷のものです。荻原浩氏の短編集です。

購入時期・再読回数

買ったのはたしか2016年くらいだっと記憶しています。

今回読んだのは2回目ですね。

あらすじ

正直な話、気に入った本はすぐにでも読み直すので、こんなにも長い間読み返していないというのは自分的に気に入っていないのか、とも思ったのですが、今回改めて読み直すと、そんなことは無いんですね。
少なくとも読んでいて退屈だとは全く思いませんでした。

理由は単純に、ちょっと読んでいて恐ろしかったり、内容が私好みでは無い短編が入っているからだと思います。

感想

順不同で紹介します。

1「お母さまのロシアのスープ」

4「老猫」

6「介護の鬼」

これらは、話としては巧みで、読者をはっとさせる内容になっています。しかし私にはちょっとブラックに過ぎました。

面白い話ではあるんですが・・・特に「老猫」なんかは、初めて読んだとき通勤途中の電車で読んでいて、続きが気になって降りてからも駅で読んでいましたからね。

2「コール」

9「しんちゃんの自転車」

これらは、荻原浩氏の真骨頂と呼ぶべき短編です。
過去の荻原浩氏の作品の「噂」や「コールドゲーム」にも通じるところがあり、読んでいて最後まで飽きさせない話になっています。

特に、「しんちゃんの自転車」のラストシーン、本当にぐっときます。これが最後に収録されているあたり、この短編集の流れは秀逸です。

5「殺意のレシピ」

7「予期せぬ訪問者」

これらはタイトルから分かる通りあまり明るい話ではありませんが、ユーモラスな内容になっています。ユーモアな氏の話が好きであれば、こちらの方が荻原浩氏の真骨頂かもしれませんね。

8「木下闇」

こちらも、明るい話ではありません。しかし最後にきちんと解決されるところは救いがあります。私はそう思います。

3「押入れのちよ」

短編集のタイトルにもなっている、人間と幽霊(?)の交流を描いた心暖まる短編です。私はこれが読んでいて一番楽しかったですね。

読み終わったあと、これから話がどうなるのかを一番想像しやすいというか・・・これだけの為に私ならこの本を買いますね。

短編集って、その作家の持っている「書きたい」ものが一番出ている気がします。長編より少ないページで、的確な物語を作るわけですから。

きっと普段長編で出来ないことをする場でもあるんでしょうね。私はその可能性に触れることが出来る短編集って、とても価値があると思います。

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