感想「『私が笑ったら、死にますから』と、水品さんは言ったんだ。」隙名こと

本の概要

この本は第7回ポプラ社小説新人賞〈特別賞〉を受賞された作品で、今年(2018年)の9月に刊行されました。

購入時期・再読回数

2018年の11月に購入し、今回が初読になります。

あらすじ

ある事件で父親を失ったことにより、やや暗い性格になってしまった主人公の男子高校生の駒田君。そんな彼はある日隣の席の水品さんという美少女に不思議なアルバイトを頼まれて・・・という物語です。

感想

物語の最初からかなりインパクトのある出だしなのですが、この事件が起こったことにより、駒田君の人生は大きく変わってしまったのであろうことは想像に難しくありません。

しかしそういう状況になったからこそ、この物語の意味と言うか、深みがあるので、これは(本人と家族の状況は抜きにしても)彼にとって意味のあった出来事なのだろうなと思います。でも辛かっただろうな、色々と。

それでもめげずに妄想を繰り返す駒田君のモノローグ、かなり好きです(笑)。滅茶苦茶笑えます。

アルバイトの相棒は水品さんというミステリアスな美少女なのですが、彼女のキャラクターも良いですね。最初はどうして?って思うんですけれど、そういった行動もまたこの物語の魅力なのだと思います。

最初は謎に満ち溢れているのですが、物語が進むにつれだんだんと彼女の謎もわかってきます。そして、どうしてこの物語がこのタイトルなのか、ということも、です。

物語自体は少し哀しい物語なんですよね。主要な登場人物が、全員過去に起こった事件を抱えている。そして、その過去が現在にも影響を及ぼしている。

そういうこともあって、途中で読むのをやめる気になるか?と問われれば、そんなことは全くありません。というのも、そういう状況でもきちんと前を向こうとする意思が彼らから感じるからだと思うのですよ。

いろいろとあったあとに、最後に駒田君がクラスの女子に言うひと言が、彼の成長を現していて、凄く良いです。

こうなれたなら、最後の展開も納得ですね(笑)。世間の行動に対して、「少しおかしいのでは無いか?」と思うのであれば是非読んで頂きたい作品です。

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隙名こと
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